「眠れなくてつらい!」を克服するために知っておきたいこと

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新しい不眠の治療法

illust329新しい睡眠薬「スボレキサント」

日本で最も多く使われている睡眠薬は「ベンゾジアゼピン(BZ)系睡眠薬」です。神経伝達物質GABAの働きを助け脳の興奮を抑え、眠りを促すものです。薬自体の依存性は強くないものの、睡眠薬を飲み続けると頭がぼけるなどの誤認識によって、勝手に薬をやめる人が患者の2ー3割もおり、これが原因で薬をやめられなくなる依存の状況が生まれやすくなっているといいます。治療の一環でやめるときは2か月以上かけて徐々に薬の量を減らしますが、急にやめると症状が悪化し、治療は長期化し結果、薬の服用も増えていくという悪循環が起こるのです。そんな中、昨年11月、新タイプの睡眠薬「スボレキサント」(商品名ベルソムラ)が世界に先駆けて発売されました。夜なかなか寝付けない「入眠障害」と夜中、何度も目が覚める「中途覚醒」に対して有効だそうで、治験の段階では副作用が少なく、やめやすい薬として期待されています。ただBZ系薬のように不安を抑える作用はなく、当面は精神疾患が背景にないBZ系薬を使ったことのない人が処方の対象になるようです。

剤型は15㎎と20㎎があり、人には1日1回20mgを就寝前投与高齢者(65歳以上)には1日1回15mgを就寝前投与、となっています。薬価は、20㎎ 107.9円、15㎎ 89.1円 となっており、一般の睡眠薬に比べやや高めの値段設定です。

 

認知行動療法

厚生労働省研究班と日本睡眠学会ワーキンググループが昨年2月にまとめた「睡眠薬の適性使用・休薬ガイドライン」では、認知行動療法について「寝つきの悪さ、夜中の中間覚醒、睡眠の質の低下といった不眠症状が改善することが明らかになっている」と記しています。

認知行動療法の1つである睡眠スケジュール法は、眠れない時間を布団で過ごすことを良しとしていません。ポイントとして次の4点を上げています。

  1. 毎日決まった時間に起きる。
  2. 起床時間から平均睡眠時間を引いた時間にベッドに入る。
  3. 寝ること以外でベッドを使わない。
  4. 寝付けないときはベッドから出る。

もちろん本格的な認知行動療法は、専門医にかかる必要はあると思いますが、睡眠時間、ベッドに入った時刻や出た時刻、その間に目覚めた時刻を記録することによって、医者にかからずとも適用できる部分があると考えられます。自分自身も不眠症の時、眠れないという不安から布団に早い時間に入ってしまい、結局眠れないまま布団の中で悶々とした時間を過ごしたことが度々ありました。もっともこの時期は、自分なりの考えて、睡眠時間が足らなくても朝決まった時刻に起きたり寝付けないときは布団から出たりはしていましたが…。久留米大学の内村教授も、人間は朝起きて16時間たつと、脳内にメラトニンという物質が増えて自然に眠くなるので、その前に床に就いても当然眠れず、焦って不眠が悪化してしまうことがあると言っています。やはり、寝るのが遅くても決まった時刻に起きて体のリズムを保つことが大事だということでしょう。

各国の臨床研究を分析した論文では、不眠症に対する認知行動療法は、睡眠薬よりも不眠の改善に効果があると報告されていますが、日本では公的医療保険の対象外で、実施している医療機関も限られています。国立精神・神経医療研究センターと日本睡眠学会では、医師や臨床心理士らを対象に認知行動療法を学べる研修会を毎年開催し、人材育成を進めているようです。ぜひ、地方でも近くの病院で、保険がきいた安い費用で、正しい認知行動療法が受けることができるようになってほしいものです。

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