読売新聞の「医療ルネサンス」で2月上旬に5回のシリーズで「睡眠のヒント」という記事が掲載されました。不眠対策について、このサイトでも紹介している、睡眠は長さより質だということや、不眠症治療の新しい心理療法である認知行動療法や、よい睡眠習慣を身につけるための生活習慣の改善についていくつか具体例が紹介されていました。この記事ではそれに加えて、今後は睡眠指導で眠りを改善したり睡眠について正しい知識を普及したりしていくことが大切になってくるということも書かれていました。
社員の健康づくりのため睡眠をサポートする企業も出てきています。精密機器メーカー「キャノン」は、食事と運動、睡眠を保健指導の3本柱に掲げ、冊子で睡眠の基礎知識を紹介するほか、快眠セミナーを開いたり、睡眠計を用いた睡眠指導を行ったりしています。加えて、社内の売店ではノンカフェイン飲料のコーナーを設けて利用を促したりしているそうです。
不眠症状には①寝つきが悪い②途中で目が覚める③朝早く目が覚める④熟睡できないの4つがありますが、大手電機メーカーが調査したところ、不眠症状のない人の年間の医療費が9万円に対して、不眠症状が1つあると11万円、2つで14万円、3つ以上で15万円と増え、不眠が健康に大きな影響を与えることが裏付けられています。不眠症状は、医療費がかさむなど企業の財政面での負担ばかりでなく、注意力や集中力、意欲や気分の低下をまねき、生産効率が下がったり事故の原因になったりする危険もあります。このようなことから、企業の健康管理において、睡眠指導は重要であるといえます。
行政でも、睡眠指導を広げてたり睡眠知識の普及をしたりする必要があります。不眠や睡眠不足は、血圧や血糖に悪い影響を与え、肥満につながったり生活習慣病になるリスクを高めたりします。医療費を抑制する意味からも、睡眠指導ができる保健婦や看護師を増やし、血圧測定をして、食事や運動指導をするのと同じように、必要に応じて自治体で睡眠計を貸し出して睡眠指導できるような環境を整えていく必要があるといえます。また、よい睡眠は健康の基本ですから、学校教育や、自治体、職域のセミナーなど、多くの人が睡眠について学ぶ機会を、提供していく必要があるでしょう。