ほとんどの人は、一晩の睡眠中に、およそコップ一杯分の汗をかくといわれています。実は汗と睡眠には深い関係があるようです。
睡眠が深くなると視床下部の発汗中枢の体温のセットポイントが下がり、体温を下げようとして汗をかきます。特に寝始めは、汗をかくことによって1度くらい体温をさげます。この体温の低下とともに、熱を帯びていた大脳はクールダウンして機能を低下させ、深いノンレム睡眠に入っていきます。
寝始めから約1時間後、今度は体温が上がっています。それともに大脳は活動を始め、浅いレム睡眠に入ります。レム睡眠が10分くらい続いた後、再び深いノンレム睡眠に入っていきますが、このときも汗をかくことで深部体温を下げ、深い眠りに入っていけるのです。一晩のうちに、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル、言いければ体温の上がり下がりを何度も繰り返すことで、寝汗がでるのです。
ところが、汗をかきにくい体質の人が、体温が高い状態が続いたままで寝ると、深部体温が下がらず、なかなか深い眠りに入れません。汗腺機能が不調な人は、不眠症にかかりやすいといえます。
そういった方は、寝る2時間前に有酸素運動をしたり、ぬるめのお湯につかると、ちょうど寝る頃に急激に体温が下がります。そのために、普段よりも体温を下げやすくなり、発汗作用をうまく引き出せるようになります。
また、汗腺トレーニングをすることで汗をかきやすい体質にすることもできます。風呂を使った汗腺トレーニングとして、まず、浴槽にかなり熱めのお湯(約43度)を腰下の高さくらいまで入れ、両手(ひじから下)と両足(ひざから下)を10分~15分くらい温めます。次に、このお湯にぬるま湯をつぎたして、ぬるま湯のお湯(約37度)に全身で10~15分つかります。このとき、湯船にコップ1杯ほどのリンゴ酢か、バスソルトを入れると、体が芯から温まります。お風呂から出ると、身体から水分をしっかり拭きとってから、服を着ずに、そのまま汗を乾燥させます。このとき、クーラーは使わないようにしましょう。目にみえない汗が汗腺から出やすくなり、機能を高めることができます。
こういった本格的な汗腺トレーニングをしなくても、冷暖房に頼り過ぎない生活をするとか、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動をすることなども汗腺を鍛えるのに有効です。